『ラジオアイソトープセンター』


 医学部ラジオアイソトープセンターは、旧医学部放射性同位元素中央実験室(昭和40年開設)、臨床分室(昭和49年開設)、基礎分室(昭和51年開設)を統合し、昭和60年2月に地下1階、地上4階、延べ面積1601uの星陵地区(医学部、病院、歯学部、加齢医学研究所、医療短期大学部)共同利用のセンターとして新たに開設されました。1階は測定機器室、汚染検査室、2階は貯蔵室、暗室、3階は低レベル実験室、高レベル実験室、動物実験室、低温室など各種実験室、4階は有機廃液処理室、排気フィルター室、地階は排水貯留室、保管廃棄室となっております。星陵地区におけるラジオアイソトープを用いた医学、生物学的研究に頻繁に利用されており、放射線業務従事者として現在約200名が登録されています。当センターではライフサイエンス研究で使用される核種のほぼ全てが使用可能であり、ベータ線、ガンマ線測定機器を含む多数の有用な機器類を設置して研究支援体制を整備しています。最近では主に3H32P125Iを用いた培養、DNA標識、ラジオイムノアッセイなどが行われています。また、放射線業務従事者の被ばく管理と教育を行い、安全かつ効率的にRI実験が実施できる研究環境の提供に務めています。現在、センター長1名、教員1名、職員4名で構成されております。各部屋の汚染検査、清掃を毎月定期的に行っており、利用者の皆さんのご協力もあり、全ての実験室がきれいに保たれています。今年度に放射線業務従事者登録、管理区域入退室及びラジオアイソトープ使用記録・廃棄物・在庫を一元管理するための新しいコンピューター総合システムを更新しました。以前はMS-DOSUnixを合わせたシステムでしたが、今回Windows XPにバージョンアップし、ハードウェアの老朽化による不安も解消されました。当センターの運用形態を考慮し、管理ソフトの改良を重ねたおかげできめ細やかな管理をすることが可能になりました。

 近年実験の非アイソトープ化が進み、当センターの稼働率が以前に比べて低下していることも事実です。そこで、研究施設の高度化利用を図る一環として、平成20年に当センターの2階の管理区域を一部解除し一般実験室としました。ここには、隣接する医学部附属動物実験施設と協力して「小動物イメージングラボ」を開設しました。当センターは、医学部附属動物実験施設に隣接し、それぞれの2階部分が渡り廊下で連結されているという格好の条件を利用したものです。小動物イメージングラボには、現在、Xenogen社製小動物用in vivoイメージング装置IVIS Imaging Systemhttp://www.summitpharma.co.jp/japanese/service/products/xenogen/index.html)と低酸素曝露装置が設置されています。IVIS Imaging Systemは、生体内の遺伝子発現やタンパク質の挙動を生きたまま体外からモニタリングできる装置です。さらに今年度、来年度にかけて、小動物用XCTMRI、2光子顕微鏡が導入される予定で、共同利用実験室として非常に充実したものになります。ただし、これらの装置は非管理区域に設置されることになりますので、RIを投与した動物には使用できません。このような非侵襲的なモニタリング装置の導入は、1個体を経時的に観察することができ、使用する動物の数を減らすことができ、動物愛護の視点からも好ましいものです。

 図1.IVIS Imaging System

一方、当センターの管理区域として新たに加わる部分もあります。平成21年9月に開所した東北大学動物実験センター内に一部管理区域を設け、エム・ディー・エス・ノーディオン社製ガンマ線照射装置Gammacell 40 Exactorhttp://kirloskar.publishpath.com/gammacell-40-exactor)を今年度末までに設置します。この装置は来年度早々より使用可能になる予定です(現在、文部科学省に変更承認申請中)。この装置は骨髄移植実験を容易にし、また、細胞や小動物に対する電離放射線の影響の研究のツールとして威力を発揮するものと期待されます。

図2.Gammacell 40 Exactor

 以上、紹介した装置は、医学系研究科以外の方も使用できます。小動物イメージングラボの装置は、医学系研究科共通機器室に利用者として登録した上で、医学部附属動物実験施設とその関連施設で飼育されている動物についてご利用いただけます。ガンマ線照射装置に関しては、医学部の放射線業務従事者登録も必要です。充実した設備を是非ご利用ください。



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Radioisotope Center
Tohoku University School of Medicine.